2026.04.29
- ニュース
高齢者の高血圧治療薬選択とリスク
「75 歳以上の後期高齢者における高血圧治療薬の選択が、その後の死亡や心疾患などの予後に与える影響について分析を行った」と発表したのは、九州大学統計数理研究所らの研究グループです。500 万人 以上の大規模医療データベースをもとに、最新のデータサイエンスの方法を用いて、「アンジオテンシン受容体拮抗薬」と「カルシウム拮抗薬」の比較分析を行ったと述べています。その結果、「アンジオテンシン受容体拮抗薬を用いたグループは、死亡リスクが 0.89 倍、心不全入院リスクが 0.84 倍に低下することが示された」といいます。ご存じのように、高血圧は 75 歳以上の後期高齢者の多くに見られる疾患ですが、高血圧治療薬の有効性については、幅広い年齢層を対象として、多くのランダム化臨床試験によって評価が行われており、心疾患や脳梗塞のリスクを低減することが一貫して示されていたそうです。ただ、75 歳以上の 高齢者を対象とした第一選択薬が何であるかの質の高い直接比較のエビデンスは限られていたといいます。その理由は、多くの後期高齢者が複数の慢性疾患(糖尿病、腎機能低下など)を有していることから、臨床試験による比較試験の実施が容易ではなかったためであったと述べています。本研究グループは、「今回の知見は、現場の医師が 75 歳以上の患者に降圧薬を処方する際の有用な参考情報となる」と述べ、「 こうした我が国の実情に即した緻密なエビデンスの積み重ねは、ガイドラインの最適化を促し、最終的には、急速に進む超高齢社会において、単なる長寿ではない『健康寿命の延伸』を支える個別化医療の実現に大きく貢献することが期待されます」と結んでいます。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1461
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

