港区立高輪いきいきプラザ

2026.06.10

  • ニュース

認知症の「空白の期間」とは?

「認知症と共に生きる人が声をあげた」と題し、認知症の空白の期間の研究について発表したのは、東京都研究長寿医療センターの自立促進と精神保健研究チームおよび福祉と生活ケア研究チームです。「認知症の人たちが集まり、社会をよりよく変えていくための建設的な提案をしていきたい」と宣言し、2014年に立ち上がった認知症の人の団体である「日本認知症ワーキンググループ(JDWG)」。本ワーキンググループは、「認知症の診断の後、常に緊張して頑張れば日常生活はできるが、周囲にはその苦労が分かりにくい。一人で苦しみ、もう続けられなくなり、人生が破綻して初めて介護保険のサービスの対象になる。この期間のことを『空白の期間』という」と述べ、この言葉が時代のキーワードになったそうです。さて、この「空白の期間」ですが、当発表によると「その代表的な捉え方は、認知症の違和感を覚えてから診断を受けるまでの期間(空白の期間Ⅰ)、診断を受けてから介護保険サービスを利用するまでの期間(空白の期間Ⅱ)に分ける」といいます。ただ、その空間は長さが問題ではなく、「正しい時期に診断を受けて、正しい時期に介護が始まることが大事である」と述べています。そこで、本研究グループは、全国の認知症疾患医療センター、東北地方の認知症サポート医などを対象に、通院している患者さんの家族に調査票を配布してもらい調査を実施。そして診断された時期を、平成時代と令和時代に分けて、空白の期間は2つの時代でどう変わったかを比較したといいます。その結果、「空白の期間Ⅰは統計学的な有意差はありませんでしたが、空白の期間Ⅱは27.1か月から5.9か月に統計学的にも有意に短くなっていた」ということです。次に、空白の期間Ⅰが長い人は診断までの期間が長く、空白の期間Ⅱが長い人は介護開始までの期間が長い人ですから、それぞれ長い方から25%の人がどのような特徴を持っているかを調べたそうです。そして、空白の期間Ⅰが長い人については、「本人が受診をためらう」というのは当然出てきましたが、他には「お世話している人が男性である」、「症状に気が付いたときに介護者が50歳未満だった」、「介護を理由に退職または転職したことがある」、「夫または妻をお世話している」ということが分買ったそうです。一方、空白の期間Ⅱが長い人については、「お世話している人が高学歴である」、「本人が男性である」、「診断時の本人の年齢が65歳未満だった」、「夫または妻をお世話している」、「同居している」、「お世話している人が診断時に安心した」という特徴があったそうです。つまり、今回の結果から判明したことは、「例えば50歳以下の男性が、退職や転職をして妻を介護している場合、診断が遅れてつらい思いをすることがあるかもしれないから、特に気をつけよう、と言えるかもしれません。あるいは高学歴の妻が65歳以下の同居する夫をお世話していて、診断の時にああよかったと安心するような場合は、介護保険の利用の開始が遅れるかもしれないと言えるかもしれない」と述べています。本研究グループは、「空白の期間の実証的な研究は始まったばかりです。私たちは、今後、長さのみならず、認知症と生きる人の孤立や孤独をしっかりと捉えるような研究手法を検討したいと思っています」と結んでいます。

http://www.tmghig.jp/research/topics/202606-17136/

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む