2024.06.24
- 活動報告
熱中症に注意③ 症状と応急処置
熱中症に注意② 人に備わっている体温を下げる機構では、人が体温を一定に保つことができる仕組みについてお話しました。
今回はこういった機構をもってしても体温を下げる事ができずに熱中症になってしまった場合の対処についてお話します。
一口に熱中症といっても原因によって分類わけする事が出来ます。
上の労作性熱中症というのは暑い環境でスポーツや肉体労働などの動作を行う事で起きる熱中症です。比較的若い世代に起こりやすい熱中症と言えます。
下の非労作性熱中症は日常生活の中で徐々に進行するものです。こちらは高齢者や疾患のある方に起きやすい熱中症です。高血圧や認知症、糖尿病の方はリスクが高いと言えます。対応が遅れる分、重症化するケースが多く注意が必要です。
さて次は、熱中症になるとどんな症状が起きるのか見ていきましょう。
熱中症は症状によって1,2,3と分類が分かれています。
まず重症度Ⅰ度の軽症と呼ばれる分類では手足のしびれや眩暈、立ち眩み、こむら返り(筋肉の攣り)などの症状があります。この期では涼しい場所へ移動し体を冷やすことと水分・塩分の補給が重要となります。
次に重症度Ⅱの中等症では不自然な意識や頭痛といった脳血流の低下由来の症状が出てきます。ここまで行くともう病院に行くべきとされています。
そして重症度Ⅲの重症となると意識がなくなります。この期ではすぐに救急車の要請と積極的冷却をする事が重要となります。救急車を呼ぶときは暑いところで急に・・・という伝え方をしてほかの症状も併せて伝えましょう。
全ての期を通してまずは冷やす、そして移送するというのが基本的な考え方になります。
飲み物を飲ませる時は意識の有無を必ず確認しましょう。(誤嚥の可能性があるから)
最後に応急処置として体を冷やす場所を覚えておきましょう。
一般的に首、脇、足の付け根を冷やすのが良いとされています。
これは大きな血管が近くにある為、冷却効率が良いからです。
熱中症は応急処置が生死を分けると言っても過言ではありません。
知識をもって素早く対応しましょう。