2024.02.07
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懐かしさがもたらすものとは
京都大学及び海外の大学の38 名の国際研究チームは、5 大陸 28 カ国・地域の 2,606 人の成人(平均 22.8 歳)を対象に、昔のことを懐かしむ傾向性、懐かしさを引き起こすきっかけ、懐かしさの機能について検討しました。その結果、「懐かしさが幅広い文化圏で頻繁に経験されていること、懐かしさのきっかけとしては、悲しさ・寂しさなどの心理的脅威(特に平均気温の高い国々)、写真・音楽などの感覚刺激(特に先進国)、コミュニティ・家族などの社会的集まり(特に発展途上国)が、懐かしさを引き起こしている」ということを明らかにしました。懐かしい出来事を思い出すことは、平凡な出来事と比較して、社会的なつながり、自己の連続性、人生の意味を増加させると述べています。また、懐かしい出来事を思い出すことは、平凡な出来事と比較して、生活の質が低い、平均寿命と生活満足度が低い国々での生活満足度を高めていると分析しています。結論として、「懐かしさの文化を越えた共通性と、その機能における文化的な細かな差異が明らかになった」と述べています。そして、懐かしさの研究は、国連の持続可能な開発目標3「すべての人に健康と福祉を」に心理学から貢献をする可能性を持っていると本研究グループは結んでいます。
懐かしい思い出は世界中の人々を幸せにする―5大陸28カ国・地域の文化的共通性と差異― | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)