港区立高輪いきいきプラザ

2024.02.02

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大豆と発酵性大豆食品

以前、国立がん研究センターが実施した多目的コホート研究によると、大豆食品摂取量と死亡との明らかな関連はなく、一方、男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、総死亡のリスクの低下が見られたということです。大豆にはたんぱく質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどの様々な成分が含まれているのはご存じの通り。一方、納豆や味噌といった発酵性大豆食品は加工中にこれらの成分の消失が少ないそうで、「発酵性大豆食品摂取と血圧の関連」や「納豆の摂取と循環器疾患死亡リスクとの関連」などが今まで報告されてきましたが、その内容は限定的でした。そこで研究センターは、多目的コホート研究を実施。大豆食品、発酵性大豆食品摂取量と死亡リスクとの関連について調査研究を行ったそうです。で、男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、死亡全体(総死亡)のリスクの低下が見られたということ。そして、納豆、味噌、豆腐に関しては、死亡リスクとの関連については、女性では納豆や味噌の摂取量が多いほど死亡リスクが低下していましたが、男性ではその傾向はみられなかったとか。さらに、納豆の摂取量が多いほど循環器疾患死亡リスクが低いという結果が出たようです。

さて、同研究センターでは、「総大豆食品摂取量が多いと膵がん罹患リスクが高い」という研究結果も発表しています。しかし、総大豆食品摂取量が多いと膵がん罹患リスクが高い理由は、よくわかっていないそうです。ただ、「動物実験では非加熱大豆飼料を与えられた動物では、下痢などのほか、膵臓の腫れがみられた」との報告などがあり、「消化酵素阻害成分の消化酵素や消化管ホルモンへの影響などが考察される」と述べています。大豆は健康に良い食材には違いありませんが、また消化吸収が難しい食材であることも事実。従ってほどほどが肝心かもしれません。なぜなら、「大豆製品の過剰摂取は膵臓がんの発症率を増やす」ということですから。

 

 

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