2024.02.02
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概日時計と神経障害性疼痛
「概日時計によって神経障害性疼痛の症状が制御される仕組みを解明」と発表したのは、九州大学院薬学研究院の研究グループです。この神経障害性疼痛は、衣服が肌に触れるくらいの刺激でも痛みを引き起こす「アロディニア」(感覚異常)が特徴。ヘルペスウイルス感染、帯状疱疹、糖尿病による末梢神経障害などによって発症するとか。実は、人間を始め、多くの生命は地球の自転に伴い、自律的にリズムを発振する機能、つまり概日時計を備えています。この24時間周期リズムは病気の発症や症状に大きな影響を及ぼすといわれています。本研究では、概日時計の機能とアロディニアとの関連性を明らかにする研究を行い、概日時計の働きが慢性的に変調したマウスではたとえ末梢神経がダメージを受けても、「神経障害性疼痛」を発症しないことを見出したと述べています。その理由ですが、「エンドカンナビノイド」と呼ばれる物質が増加するためだそうです。つまり、この物質がアロディニアの発症を抑制することを突き止めたといいます。本研究グループは、今回の研究の知見によって、新しい治療標的の発見や新薬の創製につなげていきたいと結んでいます。
概日時計によって神経障害性疼痛の症状が制御される仕組みを解明 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY) (kyushu-u.ac.jp)