2024.01.31
- ニュース
イルカの音響脂肪は筋肉だった
イルカには、人間のような出っ張った耳はありません。実は、イルカは「下顎から水中の音を聴き取っている」のだそうです。その下顎の両側面の内部には「音響脂肪」があり、この脂肪を音波が伝わって鼓膜へ伝達されているのだそうです。さて、この「音響脂肪」ですが、もともとは筋肉だったと発表したのは、北海道大学大学院環境科学院らの研究グループです。「イルカは噛むことをやめることで、水中で高度にはたらく聴覚を進化させた」と述べています。当研究グループは「イルカ2種において、音響脂肪を含む様々な組織の遺伝子発現解析を実施し、その結果、音響脂肪の遺伝子発現パターンは、純粋な脂肪と筋肉の中間的なパターンを示した」とのこと。つまり、音響脂肪は、もともとは筋肉だったというのです。今回の発見は、「海洋進出進化のメカニズムを知ることに繋がるだけでなく、ヒトを含む哺乳類の筋肉と脂肪の関係についての理解の新たな手がかりとなる」と結んでいます。
新着情報: イルカの音響脂肪はもともと筋肉だった~イルカは噛むことをやめることで、水中で高度にはたらく聴覚を進化させた~(地球環境科学研究院 助教 早川卓志) (hokudai.ac.jp)