2024.01.31
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「お酒に弱いはずなのに飲んでしまうのはなぜ?」
「人がどれだけお酒を飲むか(飲酒習慣や量)は遺伝によって影響を受ける」ことは皆さんご存じかと思います。さらに、お酒を飲んだとき、アルコールはアセトアルデヒドに分解されることも。実は、このアセトアルデヒドの分解能力に差をもたらす遺伝的な違いがあり、この遺伝的な違いによって日本人は3つのグループに分けることができるそうです。つまりお酒に強い人、弱い人、全く飲めない人というように。愛知県がんセンターがん予防研究分野及び名古屋大学大学院医学系研究科実社会情報健康医療学の研究グループは、日本人集団約17万6千人を対象に、多目的コホート研究を行い、アルデヒド脱水素酵素ALDH2 の遺伝的な違いとの組み合わせによって飲酒行動に影響を与える、別の遺伝的要因を探索するゲノム解析を行なったそうです。その結果、7つの遺伝子領域にみられた遺伝的要因が、ALDH2 の遺伝的な違いと組み合わさることで飲酒行動に影響を与えることをつきとめましたとか。つまり、ALDH2 の遺伝的な違いではお酒に弱いタイプの人でも、別の遺伝的要因との組み合わせによってはよりたくさんお酒を飲んでしまうということだそうです。加えて、「本研究で同定された遺伝子領域の遺伝的要因の中には、ALDH2 の遺伝的な違いとの組み合わせにより代表的な飲酒関連がんである食道がんのリスクをより高める要因が存在することがわかった」そうです。これらの研究結果は、「日本人の遺伝的背景に基づいた個別化予防のさらなる促進につながることが期待できる」と述べています。お酒はほどほどに!
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/01/post-619.html