2026.03.18
- ニュース
生物が正常な機能を維持したまま、透明になる?
「生きたまま組織を透明化できる試薬を開発した」、と発表したのは九州大学大学院医学研究院及び鹿児島大学、山梨大学の共同研究グループです。「哺乳類の生体組織の多くは不透明であり、光を使って組織の深部を観察することは困難である」ため、死後にホルマリンなどで固定した組織標本については、近年、透明化試薬を使って透明化し、深部まで観察することが容易になったそうです。ただ、「従来の透明化試薬は毒性や浸透圧が高く、細胞機能を維持することは困難であり、生きた哺乳類組織の透明化は実現していなかった」といいます。そこで、本研究では、具体的に、「細胞の正常な機能を維持したまま、生きた組織の深部観察を可能にする透明化試薬を開発した」と述べています。当プレスリリースによると、生きた組織が不透明に見える主な原因が、細胞の内外で光が屈折・散乱し、まっすぐ進まないためであるからだとか。そこで、本共同研究グループは、「細胞外液にタンパク質の一種であるアルブミンを加え、光の屈折・散乱を抑えることで、生きた組織を非侵襲的に透明化できることを示した」といいます。アルブミンは、細胞外液のイオン組成をほとんど変えず、細胞毒性もないそうです。そのため、本研究では、「生体組織を透明化した状態で、組織中の細胞の正常な機能を蛍光顕微鏡観察することが初めて可能となった」と述べています。つまり、アルブミンを用いた透明化試薬により、取り出した脳組織や生きたマウスの脳を非侵襲的に透明化し、組織深部における微細構造や神経活動の観察が可能になったという訳です。本成果は、「これまで困難だった組織深部における生体機能の計測を可能にし、神経科学や発生生物学など広く生命科学分野の発展に寄与することが期待されます」と結んでいます。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1433
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

