2026.03.18
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認知症の簡便な診断のための新技術
近年、認知症をはじめとする神経変性疾患を採血で測定可能なバイオマーカーの存在が注目されていますが、早い段階から疾患の状態を正しく把握し、病気の進行具合を客観的に知ることができれば、適切な治療やケアの方針を決定することができるという訳です。そこで、東京理科大学理学部第一部化学科および東京農工大学大学院工学府生命工学専攻らの研究グループは、「血液中に存在する神経損傷マーカーであるNeurofilament light chain(ニューロフィラメント軽鎖、NfL)を、微量でも高精度に検出可能な新規DNAアプタマーを発見した」と発表しました。ただ、「血液中のNfLは極めて微量であるため、正確に測定するにはNfLを高い親和性で捉えるリガンドが必要である」ということです。因みに、リガンドとは、「受容体やタンパク質などの標的分子に結合する分子」だそうです。そこで本研究グループは、NfLを正確に捉えるためのリガンドの開発を目指し、合成DNAでできたリガンドであるDNAアプタマーに着目。多様な塩基配列をもつDNAライブラリからスクリーニングを行い、血液中のNfLに選択的に結合するDNAアプタマーを見つけ出したそうです。このアプタマーは市販の抗体に匹敵する結合親和性を有していることも確認したといいます。本研究グループは、「本アプタマーの開発により、利便性の高いNfL測定装置の実現可能性が広がり、血液検査による神経変性疾患の状態評価法の開発が進むことが期待されます。将来的には、認知症を含む疾患の診断や経過観察を支える技術へと発展し、早期かつ適切な診断を通じて治療薬等の投与判断に資することで、高齢化社会における認知症医療の推進に貢献する可能性があります」と結んでいます。
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20260306_9191.html
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

