港区立高輪いきいきプラザ

2026.01.21

  • ニュース

湾とイルカと人の共存

商業漁業、レジャー漁業、埋立てをはじめとする海洋開発、船舶交通など、さまざまな人間活動が集中している大阪湾。その都市化された海域において、イルカと人間活動の関係を調べることを目的とし、音響調査を実施したのは神戸大学大学院海事科学研究科らの共同研究グループです。使われたのはイルカ類が発する鳴音を検出し、その記録からイルカの存在や採餌イベントを推定できる受動的音響観測機「A-tag」。明石海峡周辺の2地点(神戸市舞子および須磨)に設置したそうです。そして、解析の結果、「マイルカ科ハセイルカのクリック音は合計253回検出され、冬から春(12~4月)に集中して出現し、夏や秋にはほとんど検出されなかった」そうです。クリック音の多くは夜間に検出され、その中には餌を捕らえる際に発する「バズ音」も含まれていたとか。このことから、ハセイルカが夜間に明石海峡を利用して採餌をしていることが示唆されたといいます。加えて、冬から春にかけて行われるノリ養殖期と出現ピークの時期が一致することも明らかになりました。小魚やエビやクロダイなどが現れるノリ養殖期間には養殖網周辺の生態系が一時的に豊かになると考えられ、そこに集まる餌生物を狙ってイルカが出現している可能性が示唆されたといいます。これらの結果から、本共同研究グループは、「大阪湾のように都市化が進み人間活動が非常に活発な海域であっても、イルカに即座に負の影響を与えているわけではなく、季節的な環境変化などを通じてイルカが柔軟に海域を利用している可能性を示している」と述べ、「こうした知見の蓄積は、海洋利用と生態系保全を両立させるための政策づくりにも直結し、大阪湾が持続可能な海域利用のモデルケースとして役割を果たす可能性を広げます。本研究はその第一歩として、都市化された海での新たな生態系理解を切り開くものとなると期待されます」と結んでいます。

https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20260114-67450/

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む