2025.12.10
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「飲むインスリン」とは?
「インスリンの経口投与を可能にする新しい投与法を開発した」と発表したのは、熊本大学大学院生命科学研究部の研究グループです。まさに、「飲むインスリン」を実現する創薬技術の開発というわけです。「開発した経口インスリンは、糖尿病モデルマウスへの単回投与で血糖値を正常域まで低下させ、さらに1日1回の投与を3日間継続しても、毎回同定度の血糖降下作用を示した」と述べています。また、「皮下投与(注射)と同用量のインスリンを経口投与した際には、注射の約3〜4割に相当する血糖降下作用を達成し、実用化の課題であったインスリン投与量の大幅な削減を実現した」とも述べています。具体的には、「独自に開発した小腸透過性環状ペプチド『DNPペプチド』をインスリンに結合させる2つの手法を開発し、インスリンの経口吸収を飛躍的に高めることに成功した」という事です。本研究グループは、「DNP ペプチドを基盤とした経口インスリンが、注射不要の『飲むイン スリン』実現につながる極めて有望な方法であることが明確になりました。今後は、この成果を実際の治療へ応用することを目指し、製剤の安全性と効果の持続性を検証します」と結んでいます。
「飲むインスリン」を実現する創薬技術を開発 ―小腸透過性環状ペプチドがインスリン経口吸収の壁を打破― | 熊本大学

