港区立高輪いきいきプラザ

2025.12.03

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レビー小体病予備軍に対するゾニサミド薬の効果検証

「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」と肩を並べる、代表的な認知症であるレビー小体型認知症。その患者数は、日本の認知症のおよそ5%前後を占めているとか。この病気、神経細胞内にα-シヌクレインという異常なタンパク質が蓄積することで、幻視を始めとする認知機能障害やパーキンソン病に類似した運動症状を引き起こすそうです。で、その治療に使われるのが「ゾニサミド薬」ですが、有効な疾患修飾療法(進行抑制・予防薬)はいまだ存在せず、運動症状や認知機能障害が出現した時点では神経変性がすでに高度に進行しているとか。そこで、名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学らの研究グループは、レビー小体病の発症前段階(プロドローマル期)に対する初の薬物介入試験を実施した、と発表しました。その結果、「ゾニサミド群とプラセボ群の間に有意差は認められなかった」そうです。また、「副次評価項目で、ゾニサミド群では非運動症状(うつ・QOLなど)の悪化傾向がみられた一方、プラセボ群では2名がパーキンソン病を発症した」といいます。本研究グループは、「本試験ではゾニサミドの疾患修飾効果は明らかに示されなかったが、対象者の層別化の必要性、長期観察や代替バイオマーカーの重要性など、今後の先制・予防治療に向けた臨床試験デザイン構築のための重要な知見が得られた」と述べ、「神経変性疾患における『発症前介入』の実現可能性を検証する国際的研究の流れの中で、本邦発のエビデンスとして大きな意義を有する」と結んでいます。

 

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