2025.12.03
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高齢化社会とデジタルヘルス・リテラシー
医療や健康のためのデジタル技術のことを「デジタルヘルス」と呼ぶのだそうです。順天堂大学保健医療学部診療放射線学科の研究グループは、「デンマークで開発され、世界の20ヶ国語以上に翻訳されているデジタルヘルス・リテラシー質問票の日本語版を作成した」と発表しました。実は、近年デジタルヘルスに寄せられる期待は高まっているそうです。なぜなら、オンライン診察やネットによる病院の予約システムが普及していること、また高齢化が進み、医療費の増大や医療資源の不足などに対して、その課題解決策という必要性もあるようです。今回、本研究グループは、デンマークの「質問票」開発チームの支援のもと、日本語版を作成し、計量心理学的解析で信頼性と妥当性を確認。さらに 、質問票のスコアを年齢、健康状態、デジタルヘルス利用状況などの要因別に比較した結果、以下の知見が得られたといいます。すなわち、「65歳以上と未満の質問票のスコアを比較した結果、実質的な差は小さかった」「慢性疾患の有無による質問票のスコアの比較でも、実質的な差は小さかった」そして、「健康状態の自己評価が良いグループは、悪いグループに比べ、質問票のスコアが有意に高かった」。また、「週に一度以上デジタルヘルスを利用するグループは、そうでないグループと比較して、質問票のスコアが有意に高かった」そうです。このことから、本研究グループは、「デジタル技術を用いる医療サービスの提供は、高齢者にとって利用に伴う困難が生じやすいことが懸念されていましたが、本研究の結果から、高齢者のデジタルヘルス・リテラシーは一定の水準にあることが示唆されました。これは、高齢者を対象としたデジタルヘルス・サービスの開発に大きな励みとなります」と述べ、「こうした調査を継続し、利用者のニーズに適ったデジタルサービスの提供に繋げていきます。また、デジタルシステムそのものだけでなく、利用者とデジタルサービスをつなぐ最適な提供方法についても、検証を進めていきます」と結んでいます。
国際的なデジタルヘルス・リテラシー質問票の日本語版が完成|ニュース&イベント|順天堂大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

