2025.12.03
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障がい者の包括的な社会参加を評価する指標の日本語版を開発
障がいのある人が地域の中で生活し社会に参加できる地域を開発するための実践的なアプローチとしてCommunity-Based Rehabilitation(CBR)を提唱している世界保健機関(WHO)。さらに、CBRの定量的な指標となるCBR Indicators(CBR-Is)があらたに開発されましたが、その日本語版を作製したと発表したのは、筑波大学医学医療系地域総合診療医学の研究チームです。その内容ですが、「保健・教育・生計・社会・エンパワーメント」の5領域に分かれ、それぞれ5つずつ合計25の要素で構成されているそうです。今回の日本語版の開発について、本研究チームは、日本において障がい者の雇用機会の制限や社会参加の障壁が大きいことが報告されていることから、個人やコミュニティの現状と課題を把握し、インクルーシブな地域社会の構築を推進するために、CBR-Is の日本語版を開発する必要があると考えたといいます。そこで、日本の20~65歳未満の障がいのある方(障害者手帳を持っている方) と障がいのない方を対象にオンライン調査を行い、スコア化したところ、障がいのある人々は、障がいのない人々に比べて、J-CBR-Isの全領域において有意に高いスコアを示したといいます。この結果、「日本において障がいのある方が医療的ケアや社会保障、生活支援などの制度を利用する機会が相対的に多いことが影響している可能性がある」と述べ、「今後は地域特性や支援体制を考慮した研究を進めることで、より実態に沿った評価と活用方法を検討していく必要があります」と結んでいます。
障がい者の包括的な社会参加を評価するWHOの指標の日本語版を開発 | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

