2025.12.03
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気候変動とブドウ栽培
ワイン栽培の話です。実は、イタリア、スペイン、カリフォルニアに位置する伝統的なワ イン生産地域が21世紀末までに栽培に適さなくなる可能性があると言われています。その理由は、気候変動。特にワイン用ブドウ栽培への影響は世界的に懸念されているとか。これは日本も例外ではありません。そこで、東北大学大学院工学研究科の研究チームは、気候変動予測と生物種分布モデルを組み合わせ、将来の気候条件における東日本のワイン用ブドウ栽培適地の変化を予測したそうです。そして、気候変動の進行に伴い、北海道全域や東北北部、さらに標高の高い地域でワイン用ブドウの栽培適性度が大きく向上する可能性があることを示した、と述べています。つまり、適性度の変化の程度は気候変動シナリオによって大きく異なるということです。また、既存の栽培地においても、栽培時期を早めるなどの適応策が有効であることを示したといいます。これにより、「気候変動を見据えたワイン用ブドウ栽培の適応戦略や、新たな産地の開発に向けた政策の策定に対し、科学的根拠に基づいた指針を提供することが可能になった」と述べています。因みに、本研究で構築したモデルを東日本に適用したところ、「現在の気候条件におけるワイン用ブドウ 栽培適地の分布を推定。その結果、既存の栽培地(甲府盆地、 信州ワインバレー、山形県南部など)に加え、福島県の会津や中通り地域などが現在の気候で栽培に適していることが示されたそうです。本研究グループは、「今後はブドウの品質や収量に関するデータを活用することにより、より詳細な分析が可能になる見込みです。また将来の栽培適地を推 定する上で、気候変動に伴う災害の変化の観点も考慮した推定に取り組んでいきたい」と結んでいます。
気候変動がもたらすワイン用ブドウの栽培適地の変化 ... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

