2024.01.17
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ストレスと脳内メカニズム
今日のようなストレス社会において、ストレスを感じないで過ごす事は奇跡に近いことかもしれません。しかしながら、私たちの脳にはストレスを受けてもそれに適応するシステムが備わっているため、通常の生活を送ることができることも確かです。一方で、「精神的・肉体的・社会的ストレスに適応することができずに精神疾患を発症してしまうケースも少なからずあることも事実。前置きはさておき、名古屋市立大学大学院医学研究科統合解剖学分野・京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンターらの研究グループは、「マウスもヒトと同様にストレスによる行動表現型が多様であることに着目し、精神疾患と関連する症状発現の個体差構築の脳内メカニズム解明を試みた」と発表しました。具体的には、「ストレス負荷マウスを症状ごとに層別化し、各サブタイプに特徴的な神経回路変容と遺伝子発現パターン変容を抽出した」ということです。そして、症状の多様性を規定する神経回路とその回路の駆動原理としての分子経路を新たに同定した、とも述べています。 今回の研究成果として、本研究グループは「困難や逆境に適応・回復する力(レジリエンス)を高める制御法の開発、ストレスが引き金となって発症するうつ病や不安障害の病態究明や新たな治療法の開発に繋がることが期待できる」と結んでいます。
心理社会ストレスによる症状発現の個体差が生じる脳内メカニズムを解明 | 報道発表の新着情報 | 名古屋市立大学 (nagoya-cu.ac.jp)