港区立高輪いきいきプラザ

2024.01.17

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口腔健康状態と入院日数

「入院時の口腔健康状態が不良なほど、入院日数が長い」と発表したのは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野らの研究グループです。その反面、「入院時の経口摂取度が良好なほど、退院時の経口摂取度も良好なことがわかった」そうです。ご存じのように、誤嚥性肺炎は日本の死亡原因第6位。高齢者肺炎の80%が誤嚥性という報告もあるとか。その原因の多くは、口腔内細菌の誤嚥。でも、口腔ケアをしっかりやっていれば誤嚥性肺炎の予防に効果的であることはすでに医療、介護領域で知られています。加えて、誤嚥性肺炎の背景には摂食嚥下障害もあり、「摂食嚥下障害が肺炎発症リスクを約10 倍にするという報告」もあるそうです。ただ、誤嚥性肺炎と診断された入院中患者を対象とした前向きコホート研究(特定の集団に対して、将来に起こる出来事を追跡、観察する研究)は少なく、入院時の口腔環境がその後の患者の状態にどう影響しうるかは十分に明らかにされていなかったそうです。そこで、本研究では、「高齢誤嚥性肺炎患者を対象に、入院時の口腔健康状態、嚥下状態がその後の院内転帰に及ぼす影響、また、口腔健康状態が入院中にどのように変化するかを明らかにした」ということです。特に「誤嚥性肺炎の特徴の一つは繰り返すことで、繰り返すごとに状態は悪化する」ということを忘れてはなりません。今回の研究は、「入院時に早期退院を目指すことはもちろん、入院前、退院後も含めて、誤嚥性肺炎に対するより効果的な医科歯科連携を模索する上でも重要な知見になる」と本研究グループは述べています。

 「高齢誤嚥性肺炎患者では、入院時の口腔健康状態が悪いほど、入院日数が長い」【山口浩平 講師】 | 国立大学法人 東京医科歯科大学 (tmd.ac.jp)

 



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