港区立高輪いきいきプラザ

2023.11.08

  • ニュース

畜舎とエアロゾル

コロナ禍の中、エアロゾルに神経をとがらせたのは、つい先日のことですが、「気中に漂う希薄なウイルスを検出し、リスクの見える化に成功」と発表したのは産業技術総合研究所。ただ、場所は茨城県内の畜産農場です。エアロゾルの捕集実験を行い、室内に漂うウイルスを検出し、隣接する畜舎まで拡散したウイルスを検出することを実証したそうです。当研究グループは、すでに、人を取り巻く環境における感染症の拡大を検証してきましたが、家畜の感染症については技術の開発やその活用は十分でないという判断がありました。実は、2018年に「家畜伝染症予防法」が改正され、その衛生管理の徹底、感染病発生リスクの見える化の実現が喫緊の課題でした。本研究では、家畜を個体ごとに感染しているかどうか調べるのではなく、畜舎全体にウイルスが浮遊しているかどうかの調査でした。今回開発した検出法では、気中ウイルスや糞尿や塵埃などから定量分析する3段階で構成されているとのことです。そして、その結果の妥当性を家畜の鼻汁と血液検査などと照合することでより精度の高い検証を行うということです。今後は、鶏舎での実証実験にも取り組みたいとのこと。ただ、牛舎や豚舎と比べて、鶏舎は空気中の夾雑物濃度が高く検出は難しいとか。とは言え、新しい技術を開発し、鳥インフルエンザなどの予防にも役立てたいと抱負を語っています。

 

 

産総研:気中に漂う希薄なウイルスを検出し、「伝播リスクの見える化」に成功 (aist.go.jp)

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む