2025.11.21
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2012年から2015年診断症例のがん5年生存率
国立研究開発法人国立がん研究センターは、地域がん登録データを活用し、2012年から2015年診断症例の5年生存率を報告書にまとめ公表しました。ここで言う生存率ですが、がん以外の死因の影響を除いて推定する「純生存率」を用いたそうです。それによると、部位別で最高は、男性が前立腺(94.3%)で、女性は甲状腺(92.7%)。最低は男女とも膵臓(すいぞう)(男性10.7%、女性10.2%)でした。男性は下記の通り。
高生存率群(70から100%):前立腺、皮膚、甲状腺、乳房、喉頭
中生存率群(30から69%):大腸、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、胃、悪性リンパ腫、口腔・咽頭、多発性骨髄腫、食道、白血病、肝および肝内胆管、肺
低生存率群(0から29%):脳・中枢神経系、胆のう・胆管、膵臓
女性は、下記の通りです。
高生存率群(70から100%):甲状腺、皮膚、乳房、子宮、喉頭
中生存率群(30から69%):悪性リンパ腫、大腸、口腔・咽頭、胃、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、肺、食道、多発性骨髄腫、白血病、脳・中枢神経系、肝および肝内胆管
低生存率群(0から29%):胆のう・胆管、膵臓
因みに、診断から1年目の純生存率は、肝および肝内胆管で男65.9%、女62.8%、胆のう・胆管で男55.0%、女45.4%、膵臓で男39.0%、女35.7%で下降が大きかったが、2年目以降の下降は小さかったそうです。多くの部位では、5年を通して男の方が、女より生存率が高く、逆に女の方で明らかに生存率が高い部位は、口腔・咽頭、食道、肺、脳・中枢神経系、甲状腺、悪性リンパ腫でした。ただ、「生存率の経年変化は、治療方法や、早期診断割合、医療アクセスの変化など多くの要因に影響される」と述べ、がん生存率の変化を適切に解釈するには、「がん登録情報を基盤として他の関連データも併せた総合的な分析が必要である」とも述べています。
2012-2015年の4年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成|国立がん研究センター
SM

