港区立高輪いきいきプラザ

2025.11.19

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正常なインスリンを形成する「工場」とは?

「小胞体内に存在し、不良タンパク質の凝集を抑制するなどの機能をもつプロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)ファミリーの中から、カルシウム依存的に相分離する因子PDIA6を発見した」と発表したのは、東北大学学際科学フロンティア研究所、大学院生命科学研究科らの研究グループです。このPDIA6は、「未成熟インスリンの凝集を抑制しつつ、立体構造形成を促進し、成熟インスリンの効率的な生産に不可欠な役割を果たしていることが明らかになった」と述べています。すなわち、細胞内の小器官「小胞体」の中に、血糖値を下げるインスリンを正しく組み立てたり、異常化を防いだりする機能があることを発見したのです。20種以上あるPDIファミリーの中で、PDIA6だけが未成熟なインスリンを取り込んで正常なインスリンを形作ることや、構造異常を防いでいることが分かった訳です。本研究グループは、「糖尿病や、パーキンソン病やアルツハイマー病など種々の神経変性疾患は、 体内で構造異常タンパク質が過剰に蓄積することで引き起こされることが知られています。本研究は、小胞体内の高効率・高精度なタンパク質品質管理に関し、生命現象の新たな基礎知見を提示しました。今後は、ALSやアルツハイマー症 などの神経変性疾患や2型糖尿病などの疾患に関し、PDIA6相分離を標的にした創薬への展開が期待される」と結んでいます。

タンパク質品質管理に関わる小胞体内の新区画を発見~... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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