2025.11.19
- ニュース
和食でパーキンソン病抑制
和食には食物繊維を多く含む食材が多く使われていて、腸内環境を整えてパーキンソン病のリスクを減らす効果があると言われていますが、今まで他の国の食事と和食を比較した研究報告は十分ではなかったそうです。そこで、中部大学生命健康科学部らの共同研究グループは、「食物繊維を多く摂取する日本人と、高脂肪で動物性たんぱくの摂取量が多い傾向があり、パーキンソン病の発生率が日本人の2倍近い台湾人の公開データから、生活習慣や環境要因が病気の発生や健康状態の変化に対する影響を比較する調査」を実施しました。その結果、「日本人の腸内には台湾人に比べて腸内細菌のブラウティア菌やフィーカリバクテリウム菌などのSCFA産生菌が相対的に豊富で、酢酸・酪酸、ポリアミン、ビタミンB群が保たれやすく、これらはパーキンソン病の進行指標と逆方向の関連を示した」と述べています。因みに、腸内細菌のブラウティア菌は、嫌気性菌が産生する過剰な水素を酢酸に変えることで、酪酸産生を促進するなど腸内細菌の共生関係を良好に保つそうで、この傾向は、日本人において特に多く見られるといいます。発酵食品、海産物、食物繊維を多く含む根菜や海藻、きのこ等の和食が育てる腸内環境は、神経保護に資する腸粘膜バリア維持、免疫調整、神経栄養の支援といった代謝ネットワークをサポートし、運動障害の進行を“遅らせる可能性”が示唆されたといいます。本研究グループは、本成果は、「『腸から脳を守る』という視点で、非薬物的戦略の可能性を広げるものである」と結んでいます。
日本型食が、パーキンソン病の運動症状進行“抑制”の可能性を示唆─和食×腸内細菌で“進行にブレーキ”の兆し─(平山正昭教授) | お知らせ | 中部大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

