港区立高輪いきいきプラザ

2023.11.08

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AIと骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。全国におよそ1000万人以上の患者がいるそうで、高齢化に伴いその数はさらに増えていくと言われています。この病気、痛みを伴わないのが厄介。骨折しやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首、そして太ももの付け根、いわゆる大腿骨頸部骨折です。骨は生きていて、骨形成と骨吸収の繰り返し。これは高齢者とて同じ。ただ、このバランスが崩れると、骨がスカスカになり、骨粗しょう症を発症するという訳です。日本整形外科学会のHPに教えられました。大抵、診断はX線検査。骨密度測定には、超音波法などいろいろあるようです。大切なことは、その予防。第一に、転ばないこと。カルシウムの摂取。たんぱく質をしっかり摂る。そして、運動と日光浴。直接日光に当たらなくても、紫外線を浴びるだけで十分です。さて、前置きはさておき、奈良先端科学技術大学院大学らの研究グループが、人工知能(AI)を用いて、単純X線画像から骨密度を高精度に計測するシステムを開発しました。従来は、骨粗しょう症の診断は、専用の装置を用いるため、大学病院や大きな医療施設でしか行うことができませんでした。今回のシステムでは、X線画像とCT画像のペアのデータを使い、筋肉や骨格を自動認識するAI技術を加え、2つの2次、3次元画像を重ね合わせて表示する技術を開発。高精度な装置で計測したのとほぼ同等の精度で骨密度計測ができるAIを構築したそうです。このことは、小さなクリニックや移動検診車でも可能になることを意味し、一人の患者の測定は12分で可能。計測制度が高いため、その病状のスクリーニングだけでなく、診断にも用いることができると述べています。現在、製品化に向けての取り組みを進めているそうで、今後の骨粗しょう症診断の簡便化が進むだろうと期待を寄せています。

 

20231102 (naist.jp)

 

奈良先端科学技術大学院大学 (naist.jp)

 

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