2024.01.10
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迅速な認知症判断で早期発見をめざす
認知症診断には、国内外の認知症のガイドラインで推奨されているいくつかの診断方法がありますが、質問に回答するだけでも数十分かかるようです。ところが、スマート端末のカメラを使って被験者の目の動きを3分程度追跡するだけで、認知症特有の目の動きか否かを判断できるというのです。そのシステムを産学共同で開発したのは、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の武田朱公准教授らの研究グループ。この認知機能検査アプリ「ミレボ」は、日本初の薬事承認を取得した、認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラムだそうです。武田朱公准教授は、以前あるインタビューで「認知症は早期診断が非常に重要でありますが、認知症診断は難しく手間がかかるため、一つの検査ではなかなか正確に診断できない」と話しています。そうした背景から、この「ミレボ」の開発に至ったというわけです。この機器について、日刊ゲンダイヘルスケア(10日付)の記事を引用させていただくと、次の通り。被験者が「ミレボ」をインストールしたiPadなどタブレット端末の前に座ると、そこに搭載されたカメラが目の動きをとらえます。画面には、画像や映像が映し出されます。そこで健常者であれば、いくつかの図形の中から似ている部分、似ていない部分を選ぶのですが、「認知機能が低下している人では、似ている部分、似ていない部分を見つけられず、視線がランダムに画面上をさまよう」(同記事より引用)というのです。検査時間はおよそ3分。目の動きから得られる情報は多く、より高精度の評価ができること、そして医療側にも被験者側にも大きな負担がかからないことが重要です。今後のさらなる研究の成果に期待しましょう。そして、認知症の早期発見に少しでも役立つといいですね。
モニターを見るだけで認知症かどうかわかる 新検査システムが保険適用に|日刊ゲンダイヘルスケア (nikkan-gendai.com)