2024.01.10
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訪問診療と緩和ケア
「緩和ケア」と言えば、がん患者をイメージしますが、実はがん患者と比べて、非がん患者は苦痛症状の頻度が多く、がん患者とは異なる苦痛症状で困っていると指摘するのは、筑波大学医学医療系の研究グループです。本グループは、「在宅で訪問診療を受けている非がん高齢者が、どのような症状で困っているかということを、1年間にわたって調査」したそうです。その結果、「体の動かしにくさ、だるさ、食欲不振が主な苦痛症状であり、訪問診療を受けていても、それらの症状は十分に緩和されていないことが分かった」と述べています。実は、日本では死亡者数の約70%が非がん患者なのですが、その人たちが具体的に、どのような苦痛症状で困っているかということについては明らかになっていなかったため、今回、訪問診療を受けている非がん高齢者が困っている苦痛症状を1年間にわたって調査し、苦痛症状の頻度や変化について検証を行なったということです。その結果、訪問診療を開始した時点では、体の動かしにくさ、だるさに困っている人が多く、この傾向は1年間変わらなかったのですが、訪問診療を開始して3か月以降は、その割合は少なくなる傾向が分かったこと、そして12か月の時点では、体のうごかしにくさやだるさに加えて、便秘に困っている人が多いことも明らかになったと述べています。結論として、在宅で過ごす非がん高齢者にも、苦痛症状を緩和するための治療やケア、支援が必要であることを示していると結んでいます。
在宅非がん高齢者は体の動かしにくさ、だるさ、食欲不振に困っている | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL
p202312261400.pdf (tsukuba.ac.jp)