2024.01.10
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リスクと報酬のバランス
私たちは常日頃から「リスクと報酬」の関係を頭の片隅で意識していると言えば誇張になるでしょうか。その関係について、私たちの脳はどのように「決断のバランス」を取っているのか、京都大学大学院医学研究科らの研究グループは、この選択のバランスを保っている神経経路を特定したと発表しました。これまでもこの経路が何らかの形で関わっていることは示唆されていましたが、詳細な解析は行われてこなかったそうです。今回、光遺伝子の技術を用いて神経経路がこの選択に関わっていることを突き止めたとか。また、「復外側6野下端腹側」という神経への刺激によりハイリスク・ハイリターンを選択し、別の神経への刺激により「ローリスク・ローリターン」の選択を好むようになることを明らかにしたそうです。複数の脳領域間の神経系回路ネットワークが解明され、皮質下から皮質への広汎な神経回路ネットワークの制御により意思決定を外因的コントロールできる可能性があるということです。これは、精神神経疾患の治療法の開発につながる反面、「個としての心の在り方」を変容させてしまうことが懸念されると、本研究グループは述べています。つまり、今回の研究を取り巻く倫理的課題として。
https://ashbi.kyoto-u.ac.jp/ja/news/20240105_research-result_tadashi-isa/