港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.29

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睡眠中に記憶が定着するのはなぜ?

「なぜ睡眠中に記憶が定着するのか?」という問いに対し、脳内で実際に何が起きているのかを明らかにした、と発表したのは筑波大学医学医療系らの研究グループです。具体的には、本研究グループが注目したのは、記憶形成に関わる海馬に存在し、大人になってからも生まれる「新生ニューロン」。これらはアルツハイマー病で著しく減少することからも、記憶との深い関係が示唆されてきましたが、その具体的な仕組みは不明だったそうです。本研究では、「恐怖体験を学習したマウスを用いて、新生ニューロンの活動を可視化し、夢を見るとされるレム睡眠中にその活動が再現されるかを調べた」そうです。そして、その結果、「平均2.4個の新生ニューロンが学習時と同様のパターンで再び活動していることが確認され、この活動を人為的に止めると、マウスは記憶を思い出すことが困難になることが明らかになった」と述べています。加えて、記憶が定着するためには、レム睡眠中に海馬で流れる「シータ波」と呼ばれる脳波の特定のタイミングに合わせて活動が起こる必要があるともいいます。それを、「まるで波に乗るかのように、適切なリズムの中で活動することが、記憶の定着に重要である」と述べています。これは、睡眠中の脳がどのように記憶を整理しているかを示す画期的な発見だということです。本研究グループは、今回の研究結果は、「記憶形成のメカニズムに新たな理解を提供するものであり、⻑期的な記憶痕跡の追跡や 神経疾患の進⾏メカニズムの解明にもつながるだろう」と述べ、「特にアルツハイマー病などの神経疾患における記憶障害の原因を探る上で、新⽣ニューロンの重要性が注⽬されているが、今後、新⽣ニューロンをターゲットにした新しい治療技術の開発に取り組む予定である」と結んでいます。因みに、ニューロン(神経細胞)は神経系を構成する中心的な細胞のことで、脳全体では1000億個のニューロンがあるそうです。

わずか3個のニューロンが睡眠中に記憶を固定化させる | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL

 画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

 

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