2025.08.27
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AEDは全自動型それとも半自動型?
心臓病、交通事故、火災など様々な理由から心停止によって亡くなる方は年間7万人に及ぶと言われています。つまり毎日200人弱の人が突然命を失っている計算になります。そうした中、一般にAEDが使用されたのは全体の5%弱とか。心臓突然死の場合、1分遅れる毎に救命率は7〜10%低下するそうです。さて、本題に移りますが、「心停止時のAED使用で、全自動型AEDは一般市民の『ボタンを押すためらい』を軽減した」と発表したのは、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)地域二次救急・災害医療推進講座と同学域救命救急・災害医学らの研究グループです。本研究では、「一般市民は全自動型AEDを好み、医療従事者は半自動型AEDを選ぶ傾向にある」とも述べています。具体的には、2021~2022年に行われた心肺蘇生講習で、443人(医療従事者47人、一般市民396人)が両タイプのAEDを体験。一般市民は「全自動型」を好み、ボタンを押すためらいが減る傾向が見られたとか。一方、医療従事者は、使い慣れた「半自動型」を選ぶ傾向があり、「全自動型」は危険と感じる声もあったそうです。このことから、一般市民にとっては「全自動型」AEDが使いやすく、救命のスピードと成功率を高める可能性を示しているのに対し、現状の心肺蘇生講習で「全自動型」の教育がほとんど行われていない課題もあるそうです。ともあれ、本研究グループは、「心停止では、ためらわず迅速に対応できるかで、その人の運命は大きく変わります。全自動型AEDは、機械が自動的にショックを行うので、ボタンを押すという心理的な負担を減らしてくれます。市民にとって使いやすいことから今後の普及が期待されます」と結んでいます。
救命の一歩を軽くする 全自動型AEDがもたらす変化 - 国立大学法人 岡山大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM