港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.27

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自覚症状がないから大丈夫って、ホント?

患者に対して、現在の損失よりも将来の損失を訴えても、なかなか聞き入れてもらえないケースが多々あると言われています。その場合、行動経済学の視点から、いかに患者に受診を勧めるべきか、将来のリスクをどう説得すべきなのか大変難しい問題であるということです。様々な生活習慣病(高血圧、糖尿病、心臓病など)の疑いがあっても、すぐに受診しない、腰の重い人を心配する家族との間には「見えている世界が違う」と論じるのは、大阪大大学院人間科学研究科の平井啓准教授です。時事メディカルの記事に教えられました。この両者のすれ違いは、「人の意思決定がさまざまなバイアスの影響を受けているため」と理由を明かしています。平井先生によれば、「通常、人は得をすることよりも損をすることに敏感で、特に生活習慣病のように治療が長期化するものは、費用や時間、通院の負担などのコスト(損)を回避する行動を取りやすい」というのです。そのため、早期受診や治療という合理的な判断ができないというわけです。要は、「自覚症状がないから放置しても大丈夫だろう」という安易な考えに至ってしまうということ。「人は将来の利益よりも今の利益を優先し、将来の損失を割り引いて考える傾向がある」という特性を踏まえて、家族は患者を説得すること、そうすれば衝突が起こりにくい、とアドバイスしています。

「自覚症状ないから放置して大丈夫」~生活習慣病の治療、腰が重い人の心理(大阪大大学院 平井啓准教授)~|トピックス|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト

SM

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