2025.08.13
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抗生物質の活性を高める新酵素を発見
従来の抗生物質が効かない薬剤耐性菌の増加により、治療が困難な感染症が世界中で拡大していると言われています。薬剤耐性菌が原因で毎年100万人以上が命を落としているとか。ゆえに新たな抗生物質の発見とその臨床応用は喫緊の課題です。こうした背景から、静岡県立大学 食品栄養科学部 食品蛋白質工学研究室および自然科学研究機構分子科学研究所らの共同研究グループは、「抗菌ペプチド(細菌・真菌・ウィルスなどに対して殺菌・静菌作用を示す、アミノ酸鎖からなる抗生物質の一種)を、新酵素により脂質修飾することで、抗菌活性を大幅に向上させることに成功した」と発表しました。AIを活用し触媒機能が強化された改変酵素も開発。多様な抗菌ペプチドの脂質修飾が可能となったと述べています。本研究グループは、「既存の抗菌ペプチドの再評価・再開発を可能にするのみならず、新規生理活性分子の創出や創薬研究にも応用が期待されます。酵素触媒による化学修飾の汎用化は、次世代の分子創薬プラットフォームとしての発展が見込まれるだろう」と結んでいます。
抗生物質の活性を高める新酵素を発見<br />〜AIを活用した構造最適化により酵素機能強化にも成功〜<br />(加藤晃一グループら) - お知らせ | 分子科学研究所
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM