港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.13

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アミロイドの無毒化による治療法とは

アミロイドと呼ばれる不溶性タンパク質が、体内で分解されず、心臓などさまざまな臓器に沈着して、機能の異常を引き起こす「アミロイドーシス」。中でも「トランスサイチレンアミロイドーシス(ATTR)」は、加齢に伴って起こるタンパク質異常の代表的な現象で、80歳以上の高齢者の約4人に1人に影響を及ぼすとも言われています。しかし、この病気に対する治療法の多くは「この病気の進行を止める」ことが中心で、一度蓄積したアミロイドの毒性を消す方法はなかったそうです。そこで東京大学大学院薬学系研究科有機合成化学教室らの研究グループは、この難題に対し触媒を使った独自のアプローチにより、アミロイドそのものを無毒化するという戦略で挑んだといいます。少し専門的な話になりますが、「空気中の酸素からアミロイドに対して親水性の酸素原子を化学反応により導入(光酸素化)することができる触媒を開発し、アミロイドの無毒化を達成した」と述べています。初めて聞く言葉ですが、「触媒医療」という新しい疾患治療概念だとか。すなわち、化学触媒を通じて生体内の化学反応ネットワークに能動的に介入した事例だということです。本研究グループは、「将来的にはアルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとした他のアミロイド関連疾患への応用も可能であろう」と結んでいます。

難病「アミロイドーシス」に“光”を。 | 東京大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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