港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.13

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腹膜への転移を伴う胃がん治療にmRNA技術

「胃がんは、発症率と死亡率がいずれも高いうえ、手術をした場合でも再発することが多く、腹膜転移を起こすと生存期間中央値(その集団において、50%の患者が亡くなるまでの期間)が46ヵ月と非常に予後が悪い」との観点から、近畿大学医学部免疫学教室らの研究グループは、「mRNA技術を応用した新しいワクチンを開発し、既存薬である免疫チェックポイント阻害剤と併用してマウスに投与することで、腹膜への転移を伴う胃がんに対して強力な治療効果を示すことを世界で初めて明らかにした」と発表しました。本研究では、「がんの細胞をマウスの腹腔に投与して、胃がんの腹膜転移の状態を再現した実験モデルを確立。このモデルを用いてネオアンチゲン(がん細胞に特有の遺伝子変異によって新たに生まれる「がん特有の目印」となるタンパク質の断片)を見つけ出し、それらを標的とするmRNAワクチンを開発した」そうです。そして、このワクチンを脂質ナノ粒子という非常に小さなカプセルに包んでマウスに投与することで、がんを狙って攻撃するキラーT細胞を強く活性化することを確認した、ということです。本研究グループは、「今後ヒトへの臨床応用が進み、mRNA技術による個別化がんワクチンの開発につながれば、抗PD-1抗体と併用することで胃がん以外の難治性がんに対する免疫療法確立にも応用できる可能性が示唆された」と結んでいます。

腹膜転移型胃がんに治療効果を示すmRNAワクチンを開発 | Science Tokyo - 東京科学大学

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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