港区立高輪いきいきプラザ

2025.08.13

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ウイルスは細胞同士の「会話」を乗っ取り感染を拡げる?

「インフルエンザウイルスが体の中で感染を広げていく際に、細胞同士の"会話"を乗っ取ることを突き止めた」と発表したのは、北海道大学大学院医学研究院らの研究グループです。当プレスリリースによると、「ウイルス感染は、ごく一部の細胞から始まり、徐々に周囲の細胞へと広がっていきますが、感染がどのように周囲の細胞に広がっていくのか、その詳細なメカニズムはよく分かっていなかった」といいます。本研究では、「ウイルスに感染した細胞が『ADP(アデノシン二リン酸)』を細胞外に放出し、それを周囲の細胞が受け取ると細胞内カルシウムイオン濃度が上昇することを、超広視野高解像顕微鏡AMATERAS等を用いた解析により発見した」と述べています。この現象は"カルシウム波伝播"と呼ばれているとか。まさに伝言ゲームのように次々と隣接する細胞へと連鎖的に広がっていくというわけです。今回の研究では、この"カルシウム波伝播"の仕組みをウイルスが乗っ取り、感染を加速させていることを解明したのと同時に、「ADP受容体」をブロックすることで、この波の伝播を止め、感染が抑えられることも示したそうです。本研究グループは、本研究の成果によって、ウイルスがどのように体の中で広がるのかという謎を解くだけでなく、将来的には「細胞同士の会話」を標的とした、新しいウイルス治療薬の開発にも繋がる可能性がある、と結んでいます。

新着情報: ウイルスは細胞同士の「会話」を乗っ取り感染を広げる〜インフルエンザの新たな感染メカニズムを発見、治療薬開発に期待〜(医学研究院 准教授 藤岡容一朗 教授 大場雄介)

 画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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