2025.08.06
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関節リウマチにおける新規サイトカイン
免疫細胞が自己の関節を攻撃して炎症や関節破壊をきたす疾患の関節リウマチ。これまでの研究から「関節に存在する滑膜という組織の中に存在するヘルパーT細胞が、関節リウマチの病態に重要な役割を果たしていることが明らかになっていた」とか。しかし、関節内においてどのように炎症に関わるのか詳しくはわかっていなかったそうです。そこで、京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点らの研究グループは、「関節リウマチ患者由来の滑膜組織の解析により、比較的ヒトに近い霊長類に認められるサイトカインIGFL2を介してヘルパーT細胞が関節リウマチの炎症を制御していることを明らかにした」と発表しました。因みに、ヘルパーT細胞とは、免疫の司令塔のような白血球の一種で、感染や異物に対してB細胞に抗体を作るように指示したり、他の免疫細胞を助けたりする重要な役割を持っているそうです。本研究グループは、「ヒト関節リウマチの病態に関わるヘルパーT細胞特異的なサイトカインを同定し、その機能を明らかにすることができました。進化的に新しい遺伝子ということで、動物モデルの解析からは明らかにできない知見を解明できたと考えています。今後は臨床応用に向けた研究を行いたい」と結んでいます。因みに、サイトカインとは、細胞から分泌され、さまざまな細胞に作用するタンパク質の総称で、約800種類あるとも言われています。
関節リウマチにおける霊長類特異的な新規サイトカインを同定 – ASHBi
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM