2024.01.05
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イルカのうんちから年齢を推定
三重大学大学院生物資源学研究科らの研究グループは、「糞の中に含まれるイルカのDNA情報を用いて年齢を推定する手法を開発した」と発表しました。イルカの年齢推定には、寿命を超える長い期間での観察研究などが一般的であったため、長寿の野生動物の年齢推定はきわめて難しい状態でした。今回、本研究は、野生水生動物の糞などの非侵襲的な試料由来のDNAによる解析に成功した画期的な研究成果となりました。単にイルカの生態理解と保全に役立つのみならず、他の野生動物への応用への第一歩となる可能性があると述べています。実は、「糞から抽出したDNAは濃度が低いため、解析しても結果が得られなかったり、同じサンプルの解析結果にばらつきがあったり様々な課題があった」そうです。しかし、今回の研究では「36個のサンプルからGRIA2とCDKN2Aという2つの遺伝子領域におけるメチル化率を測定することに成功した」と述べています。実際、ミナミハンドウイルカの50年程度の寿命に対して、平均5歳程度の誤差での年齢推定が実現で来たようです。本研究グループは、「糞を利用した年齢推定を通して、野生動物の生態の理解が進み、動物と人類の共存につながることが期待できる」と結んでいます。
https://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/cat775/post-75.html