2025.07.30
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新型コロナウイルスと血管障害
全国的に新型コロナウイルスの感染が増加傾向にあるようです。こうした中、「新型コロナウイルス感染症における血管障害の原因を解明した」と発表したのは北海道大学大学院歯学研究院らの研究グループです。「血管内皮細胞の老化によるウイルス取り込み増加が重症化の原因の一つだった」と述べています。ご存知のように、新型コロナウイルス感染症は、加齢が最大の重症化リスク因子で高齢者は重症化しやすいと言われています。当プレスリリースによると、「重症化して死亡した患者の肺では、肺炎に加えて微小血栓・血管透過性異常亢進など血管内皮機能障害が特徴的だった」とか。そこで、本研究グループは、若い血管内皮細胞と細胞老化した血管内皮細胞を用いて新型コロナウイルスへの反応性を比較解析したところ、細胞老化した血管内皮細胞はウイルスの細胞内への取り込みが強く、取り込みウイルス量に応じて炎症応答が強くなることが分かったそうです。つまり、「加齢に伴う肺血管内皮細胞の細胞老化によるウイルス取り込み増加と炎症応答」が問題だったと述べています。本研究グループは、今後、「老化血管内皮細胞をターゲットとした新型コロナウイルス治療薬の開発に取り組みたい」と結んでいます。
新着情報: 新型コロナウイルス感染症における血管障害の原因を解明~血管内皮細胞の老化によるウイルス取り込み増加が重症化の原因のひとつだった~(歯学研究院 教授 樋田京子)
SM