2025.07.23
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アミロイドPET検査とタウPET検査
「アルツハイマー型と診断されていたけど実はそうではなかった。あるいは、その逆のケース」、こうした事態が医学の進歩で確実に減少するのではないでしょうか。慶應義塾大学医学部の研究グループが「アミロイドPET検査とタウPET検査の併用により認知症診療の診断」と報じたのは2022年10月。今日ではPET検査が一般的に行われるようになったそうです。つまり、アルツハイマー型か、もしくはそれ以外の認知症かが、より正確に判断できるようになったという訳です。加えて、タウPET検査を併用して行えばより正確に診断できるとか。因みに、タウPET検査は、脳の中のタウタンパクの蓄積を調べる検査で、タウタンパクは、アミロイドβ同様、タウタンパクもアルツハイマー型の原因物質なのです。さらに、タウPET検査は、アルツハイマー病以外の認知症(前頭側頭葉認知症、パーキンソン症候群など)の診断にも有用であるとか。因みに、一般的な認知症の診断には、神経心理検査(記憶や注意力など認知機能を評価する)、頭部MRI(脳の萎縮の度合いを診る)、脳血流検査(脳の血の巡りを評価する)などを行い、総合的に判断されるとのこと。ただし、先に述べましたが、どれも決定的な検査ではなく、誤診率は2-4割あるといわれています。今日の急速な高齢化に伴い、画期的な治療法・予防法が出現しない限り認知症患者の数は急速に増加し続けると危惧される中、さらなる認知症研究の進展に期待しましょう!
アミロイドPET検査とタウPET検査の併用により認知症診療の診断、治療が大きく改善する可能性:[慶應義塾]