2025.07.02
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サルコペニアと糖尿病患者
産業技術総合研究所と香川大学医学部附属病院の研究グループは、共同で「高齢2型糖尿病患者の、サルコペニアの有無による歩行特徴の違いを3次元動作解析によって明らかにした」と発表しました。加齢や栄養不足、さまざまな疾患などが原因で発症するサルコペニアですが、特に2型糖尿病は、筋肉の代謝や機能に悪影響を及ぼしやすく、サルコペニアを発症するリスクが高いということです。骨格筋量が減少し、筋力や身体機能の低下を招くサルコペニアによって、身体活動が低下するだけでなく、糖代謝がさらに悪化し、糖尿病自体も重症化するリスクがあるともいいます。それゆえ、糖尿病患者のサルコペニアは積極的な早期発見と介入が不可欠なのです。本研究では、「3次元動作解析装置を用いて、高齢2型糖尿病患者の歩行中の関節運動を、歩行速度や歩幅だけでなく、関節の動きの具体的なパターンを数値化して詳細に評価した」とか。その結果、「サルコペニアを有する患者が歩行速度の低下、歩幅の短縮、さらに足関節(足首の関節)の運動範囲の著しい減少を示すことを定量的に明らかにした」と述べています。具体的には、「矢状面での足関節の運動範囲の減少が、サルコペニア群において有意に認められた」という事で、その意味するところは、「歩行速度に左右されずに検出できる変化であり、糖尿病患者の身体機能低下を表す新たなデジタルバイオマーカーとして有用である可能性を示している」そうです。本研究グループは、「これらの知見は、臨床現場でサルコペニアの早期発見を簡便に行うための評価手法開発に役立つことが期待できる」
香川大学 :: 高齢2型糖尿病患者のサルコペニアの早期発見に有用な歩行指標を明らかに 歩行中の足関節の運動範囲がサルコペニアの有無により異なることを発見
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM