2025.06.11
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歯科健診未受診の高齢者で死亡リスクが約1.5倍
「8020運動」では、80歳で20本の歯を保つことを奨励していますが、その主な理由の一つは、「歯の本数などの口腔の健康状態と死亡リスクには関連がある」からです。ご存じのように、75歳以上の後期高齢者を対象とした後期高齢者歯科健康診査事業、つまり「歯科検診」が2018年度から開始されましたが、「高齢者を対象とした公的な歯科健診は世界でも例がなく、その有益性は明らかになっていない」とのこと。そこで、大阪公立大学大学院看護学研究科らの研究グループは、2017年10月~2019年3月の期間、継続して大阪府後期高齢者医療保険に加入していた75歳以上の946,709人を対象に、歯科健診・歯科受診の有無と死亡の関連を生存時間解析で検討したそうです。具体的には、「対象者を4群(①歯科健診有り・歯科受診有り ②歯科健診有り・歯科受診無し ③歯科健診無し・歯科受診有り ④歯科健診無し・歯科受診無し)に分け、年齢や基礎疾患などの背景因子が一致する対象者ごとに分析した結果」、④群の高齢者、つまり歯科検診を受けていない人たちは、歯科検診を受けている②群の高齢者に比べて、死亡リスクが男性で1.45倍、女性で1.52倍であることが明らかになった、と発表しました。要は、(後期)高齢者ゆえに、口腔状態の定期的なチェックや口腔機能低下をスクリーニングし、適切な治療につなげることが「健康寿命」を伸ばしていく不可欠な対策であるということです。
歯科健診未受診の高齢者で死亡リスクが約1.5倍に 歯科健診が“命を守る”可能性、大阪府94万人データから判明|大阪公立大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM