港区立高輪いきいきプラザ

2025.06.11

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薬剤耐性と医療診断AI

今日抗生剤の使用過多による「薬剤耐性菌の出現」が大きな問題になっていますが、この出現によって世界中で127万人が直接死亡したと伝えられています(2019年度の資料)。ゆえに社会全体で抗生剤の使用をなるべく控えるのが理想的なのですが、一方で「自分は気軽に抗生剤を使用したい(処方してほしい)という合理的な考え方が存在することも事実です。長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野らの研究グループは、抗生剤(抗生物質・抗菌薬)使用の背景に存在する社会的ジレンマが医療診断AIの普及を妨げる要素となりうることを示したと発表しました。本研究では、「耐性菌問題を考慮するAI」と「耐性菌問題を無視するAI」のどちらに普及してほしいかと尋ねることで医療診断AIの普及に対する人々の意識を調べたそうです。そこで分かったことは、国別に差異があるものの、過半数の人々が世界規模の耐性菌問題を検討するAIよりも、個々が求める治療を望んでいるという結果が出たと述べています。つまり、今後悪化が予測される耐性菌問題にもしAIを有効活用できるとすれば、「倫理上の障壁や社会的状態を解消する議論が不可欠である」と結んでいます。因みに、日本は標準化への賛成率が最も低かったとか。

薬剤耐性に立ち向かう医療診断AIは普及しないかもしれない|長崎大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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