2025.06.11
- ニュース
高齢者の運動意欲に楽しさは不可欠
加齢とともに、歩く速度が落ちた、長く歩くと疲れるといった声をよく聞きますが、その高齢者の低下した歩行能力を再び高めるためにはリハビリテーションが必須。しかし、「従来のリハビリプログラムは単調な動作の反復が多く、モチベーションの維持が難しい」という観点から、大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科らの研究グループは、「楽しいリハビリプログラムの開発に向け、子どもから高齢者まで誰でも簡単に取り組むことができるパラリンピックスポーツ『ボッチャ』に着目」し、「リハビリに利用可能なスペースが限られている環境でも導入できるよう、XR技術を活用したリハビリプログラム『ボッチャ XR』を開発した」と発表しました。実際、このリハビリプログラムの効果を検証するため、65歳以上の健康な高齢者18人を対象に、ボッチャ XR、従来のボッチャ、トレッドミル歩行の体験前後の気分の変化、体験時の下肢の筋活動量を調べたところ、ボッチャ XRと従来のボッチャの体験後は活力や活気といったポジティブな感情が高まること、各プログラムいずれの体験時も下肢の筋活動量に大きな差はなく、膝を伸ばす筋肉ではトレッドミルに比べボッチャ体験時に筋活量が増加することが分かったと述べています。ここで強調されている点は、高齢者の運動意欲の維持には「楽しさ」が不可欠であるということです。本研究では、気分の変化と下肢筋活動の計測を通して、その楽しさと運動効果の両立を検証したと結んでいます。因みに、今回は即時的な効果の検証であったため、今後は、より多くの高齢者を対象とした長期的な効果の検証とボッチャ XRのアップデートを進めていく予定だそうです。
-高齢者向けの楽しいリハビリプログラムの開発へ- “ボッチャ XR”の効果を検証|大阪公立大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM