2023.12.15
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心不全と新薬
心不全については、本欄で以前触れましたが、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなる症状のことで、病名ではありません。要は、心臓がポンプの機能を十分に果たせず、正常に血を送ることができない状態のことです。日本循環器教会のHPには「がんと同じくらい危ない」と記されています。心不全で入院したことのある人は平均5年間に約半数の方が亡くなっているとか。その対策ですが、塩分や水分の摂りすぎに注意すること。体内の水分が増えると、全身の血液の量が異常に増えて心臓に負担になるということです。あとは、過労、ストレスをため込まずに、できれば禁煙や節酒を心がけることだそうです。12月12日付東京新聞に「心不全パンデミック」と題する記事が掲載されていましたが、それによると、近年心不全の患者が増えているとか。心不全を発症するきっかけは、例えば「心筋梗塞などの心臓の病気や、高血圧などの生活習慣病」(同記事より引用)なのだそうです。心臓の収縮や拡張において機能低下が見られる場合は心不全とみなされるとか。では、心不全は治らないものなのでしょうか?上述の記事によると、2019年に心拍数を減少させる新薬が承認され、心機能の改善に期待が持てるようになったということです。つまり、心不全と言えども、あきらめずに治療を続けること。「もう長くは生きられない」と思ってはいけないと述べています。因みに新薬のことですが、2021年には慢性心不全の治療薬ベルイシグアトの製造販売が承認されたそうです。息切れなど改善する薬は、サクビトリル・バルサンタン。心拍数を減らす薬はイバブラジンです。ともあれ、心臓は、安静時の場合、1分間におよそ50回~100回ほど収縮と拡張を繰り返している筋肉です。ぜひ、大切にしたいものです。