2023.12.15
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アルツハイマー病と早期診断法
日本の認知症患者は2020年時点でおよそ600万人。25年には700万人に達すると予測されます。アルツハイマー病は認知症の中で最も発生率の高い病気ですが、その発症はおよそ25年前からアミロイドβが脳に蓄積することで起こると言われています。そして、およそ10年前から脳脊髄液の中のアミロイドβ42が減少し、CSF中のP-Tauが増加するようです。そうした背景から、早期診断を目指す取り組みも加速されています。今回、虎の門病院、北海道大学、がん研究会の共同研究チームは、アルツハイマー病を引き起こす病態変化前後の脳脊髄液を集め、その中のエクソソーム(細胞外小胞)のたんぱく質を分析し、11種類のエクソソーム含有たんぱく質がアルツハイマー病進行で増減することを発見したと発表しました。その分析結果から、エクソソーム中カテプシンBは、アルツハイマー病の新たな早期診断バイオマーカーとして期待できるだろうと述べています。つまり、新規早期診断法及び治療薬開発につながる手掛かりになると結んでいます。