港区立高輪いきいきプラザ

2024.12.25

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ジャガイモやトマトのステロイド生産能力

神戸大学大学院農学研究科らの国際共同研究グループは、「ジャガイモやトマトに含まれる有毒成分、ステロイドグリコアルカロイド(SGA)の生合成に関わる新たな酵素の機能を明らかにした」と発表しました。実は、ジャガイモやトマトは、昆虫や草食動物などに食べられるのを防ぐ化学的防御として「有毒成分SGA」を多量に生成蓄積しているそうです。ただ、自らが生産する有毒物質の生成過程で植物自身を傷つけないようにしなければならないのです。本研究チームは、未解明のセルロース合成酵素様タンパク質「GAME15」に着目し、GAME15がコレステロールにグルクロン酸を転移するように機能進化した酵素であることを発見し、GAME15が欠損するとSGAが生成されなくなり、その結果、昆虫に対する抵抗性が低下することが分かったそうです。加えて、GAME15は、細胞膜成分であるコレステロールの生合成を担う酵素とSGAの生合成酵素を結びつけ、効率的な反応を促すタンパク質集合体を形づくる役割を果たしていることも明らかにしたそうです。つまり、GAME15は防御物質であるSGAを効率的に生産しつつ、同時に有害な代謝中間体の蓄積を抑えて自己に対する毒性を回避するという「鍵酵素」として機能していることが明らかになったとか。本研究で得られた知見により、ジャガイモやトマトの高いステロイド生産能力を応用することで、今後、食品や化粧品、医薬品に利用できる有用ステロイド化合物の生産に向けた新たな合成生物学的アプローチへの可能性が期待できると述べています。

ャカイモやトマトの毒を作り出す鍵酵素を発見 | 神戸大学ニュースサイト

画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM

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