2024.12.13
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大腸とストレス
「幼少期の社会的な孤立によるストレスが大腸の粘液を産生する杯細胞を減少させ、認知機能障害をひき起こすという精神疾患の新たな発症メカニズムを解明した」と発表したのは、藤田医科大学医療科学部レギュラトリーサイエンス分野らの研究グループです。加えて、胃潰瘍や胃炎の治療に広く使われている薬のレバミピドが杯細胞を増やすことで脳内の炎症を抑制し、認知機能障害が改善されることも発見した、と述べています。本研究グループは、従来とは異なるアプローチによる治療法を模索する中でストレスと大腸に着目。今日、「脳腸相関」と呼ばれる、腸と脳の機能的な連関が注目されている中、「大腸の粘液を産生する杯細胞に着目し、杯細胞の増加が腸内環境を改善し、精神疾患治療の新たな標的となる可能性について検討した」とのことです。具体的には、「幼少期のマウスを隔離飼育することで社会的な孤立によるストレスを負荷した結果、大腸の杯細胞数が減少し、ストレスが腸内環境に影響を与えることが確認された」というのです。本研究の結果、レバミピドがストレスによる認知機能障害の新たな治療薬となる可能性が示唆されたこと、そして、胃粘膜保護薬として既に臨床で広く使用されているレバミピドには重篤な副作用がないため、今後、安全な薬剤として精神疾患治療への応用が期待できるだろうと本研究グループは結んでいます。
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv000000zs0l.html
画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM