2024.12.11
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超音波刺激で脳を活性化
「超音波刺激によって引き起こされる脳神経活動の高まりにTRPC6と呼ばれるセンサー分子が必要不可欠であることを明らかにした」と発表したのは、 量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センターらの研究グループです。将来的にはこの「TRPC6」を、薬や遺伝子操作で制御しながら超音波で脳を刺激することで、認知症やうつ病などの精神・神経疾患を効果的に治療できるというのです。実は、「エコー検査などの画像診断技術に利用されている超音波で脳や手足の神経組織を刺激すると、その活動を調整できることが明らかになってきた」とか。そこで、脳神経の活動に不調を生じる神経変性・精神疾患を超音波照射によって治療する方法が注目されていますが、どのような分子メカニズムが基盤となって脳神経の活動が誘導されているか今まで明らかではなかったとか。本研究グループは、「超音波照射と同時に脳神経の活動レベルを計測できる実験システムを独自に構築し、超音波によって脳神経の活動が誘導される現象をリアルタイムに捉えることに成功した」と述べています。因みに、超音波とは人が聞き取ることができない高い周波数帯域の音だそうで、医療応用としてはエコー検査などの画像診断、骨折や慢性的な痛みに対する超音波療法やリハビリなどが挙げられ、医療の分野でも欠かせない技術として広く利用されているようです。
超音波刺激で脳活動を高めるのに不可欠な脳内センサーを同定~認知症やうつ病など精神・神経疾患の新たな治療法への応用に期待~ - 量子科学技術研究開発機構
画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM