2024.12.11
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有酸素能力の高い高齢者は作業記憶も優れる?
ジョギングやウオーキングなどの有酸素能力の高い高齢者は、認知機能の一つである作業記憶能力が高いことが知られていますが、その脳内メカニズムは解明されていなかったそうです。そこで、明治安田厚生事業団体力医学研究所の研究グループは、「近赤外光脳機能イメージング装置を用いた検証」を行ったそうです。その結果、「作業記憶能力テスト中、特に難しい課題に取り組む際、高齢者の前頭前野では若年成人に比べて多くの領域が活動していた」ことが分かったそうです。これは、加齢による一部の脳機能の低下を他の領域が補う代償的な脳活動を示しているとか。加えて、「有酸素能力が高い高齢者ほど、前頭前野の代償的な活動が顕著であり、作業記憶能力テストの成績が優れていることを確認した」と発表しました。一般的に、高齢者は加齢による前頭前野の機能低下を補うために、多くの部位を代償的に動員することで認知機能を保とうとしているようです。ただ、有酸素能力の高い高齢者ではこのような前頭前野の代償的な脳活動が活発で、作業記憶能力が高い可能性があるというのです。本研究の成果は、「なぜ有酸素能力の高い高齢者の作業記憶能力が高いのか、という疑問にこたえる脳機能メカニズムの解明に寄与する可能性がある」とのことで、今後、「運動トレーニングによる有酸素能力、作業記憶能力、脳活動の変化の関係性を見ることで、これらの因果関係が解明されることが期待される」と結んでいます。
有酸素能力の高い高齢者は作業記憶も優れる|研究の紹介│体力医学研究所│公益財団法人 明治安田厚生事業団