2024.12.06
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ガムを噛むトレーニングが食道がん術後の誤嚥、発熱予防に有効!
食道がんの手術後は、口腔機能が低下して誤嚥などが起こりやすく、安全かつ有効な予防方法が切望されている中、「ガムを噛むトレーニングによって、食道がん術後の合併症を予防する可能性が示された」と発表したのは、岡山大学病院歯科・予防歯科部門らの研究グループです。患者が専門的な口腔清掃に加えて、楽しく、簡単に、安価に実践できる「ガム咀嚼トレーニング」が、口腔機能を向上させ、術後の合併症を予防する可能性が示されたことは世界初だそうです。具体的には、「食道がん手術の前後それぞれ約2週間ずつガム咀嚼トレーニングを行ったグループ(ガム群) (3回/日、約5分間)は、ガムを噛むトレーニングを行わなかったグループ(対照群)と比較して、嚥下機能の評価指標の一つである舌圧が低下した患者さんの割合が76.0%から 44.0%に有意に低下したことを確認した」そうです。加えて、ガム群では、術後の舌圧低下が予防されただけでなく、手術によるダメージがあっても舌圧が向上したことを確認したと述べています。実際、患者からは、手術に対して不安がある中、「ガムを噛んでいるときは不安が和らいだ」との感想があったと言います。ともあれ、「誰にでも簡単にできるガムを噛むトレーニングは、ドミノ倒しのように進行するフレイル(フ レイル・ドミノ)対策の一つとして、健康長寿社会の実現に少なからず役立つと期待できる」と結んでいます。
世界初!ガムを噛むトレーニングが食道がん術後の誤嚥、発熱予防に有用であることを発見 - 国立大学法人 岡山大学