2024.11.27
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「代謝表現型」って何?
肥満であっても健康な人もいれば、肥満が無くても不健康な人がいることは事実。そのような方々は遺伝的背景も含めて病態に違いがあることが示唆されており、肥満の有無とその他の心血管リスク因子の有無による組み合わせを「代謝表現型」と呼ぶのだそうです。ただ、代謝表現型と全がん、部位別がん罹患との関係性についてはヨーロッパでは研究が行われていますが、アジアにおいては十分な検討がなされていなかったのだとか。そこで、徳島大学大学院医歯薬学研究部予防医学分野らの研究グループは、大規模コホート研究を行い、代謝表現型とがんとの関連について検討したそうです。その結果、「代謝的に不健康な肥満の方はがんになりやすいという結果になった」とか。また、「部位別がん罹患の解析では、代謝的に健康な肥満、代謝的に不健康な肥満の方は大腸がん、肝臓がんに、代謝的に不健康な正常体重の方はすい臓がんになりやすいこと」が判明。女性のみの解析では代謝的に健康な肥満、代謝的に不健康な肥満の方は乳がんに、代謝的に不健康な肥満の方は子宮体がんになりやすいことが示されたと述べています。 本研究により、「日本人成人において、代謝表現型によって、全がんおよび部位別がんの罹患のしやすさが変わることが示唆された」とのこと。今後は、生活習慣と代謝表現型、がん罹患との関係性について遺伝要因も含めてさらなる検討を行っていきたい」と結んでいます。
【プレスリリース】肥満と代謝異常の組み合わせでがんリスクが変わる?~大規模日本人集団の追跡研究結果から~ - 国立大学法人 徳島大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。高輪いきいきプラザ SM