2024.11.27
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電気刺激でがん細胞の増殖と転移の抑制
九州大学大学院薬学研究院らの研究グループは、「痛みを伴わないレベルの微弱な電気刺激を免疫細胞の一種であるマクロファージに与えることで、マクロファージによるがん免疫を活性化出来ることを明らかにした」と発表しました。当プレスリリースによると、「マクロファージはがん細胞を自身の中に取り込むことで、がん細胞を減らし、さらに周りの免疫細胞を活性化する機能を有している」との事です。実は、免疫細胞の機能には朝と夜で差があるため、がん免疫には活性化しやすい時間帯と活性化しにくい時間帯があるとの事ですが、微弱電気刺激はマクロファージの「時計遺伝子」と呼ばれる分子の量を変化させることでこれらの機能を上昇させ、マクロファージによるがん免疫が低い時間帯を無くすことが可能であることを、マウスとヒトの細胞を用いて突き止めたと述べています。近年、生体が元来持つ免疫細胞の機能によってがん細胞を排除する「がん免疫療法」と呼ばれる治療法が様々ながんの治療に用いられていますが、本研究グループは「微弱電気刺激自体は既に、主にスポーツ選手の疼痛緩和や創傷治癒に使用されているものであるため、より安全かつ効果的ながん治療の一つとして応用されることが期待できる」と結んでいます。
“痛みのない”電気刺激によってがん細胞の増殖と転移が抑制される | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)